Why Jellyfish Collagen?

クラゲについて

5億6千万年前の「カンブリア紀の大爆発」で様々な動物が一斉に誕生したとき、クラゲも誕生しました。これは哺乳類の出現や脊椎動物の出現よりもかなり以前のことです。地球上に生息している、たいていの生物が出現したときにはすでにクラゲは存在しており、生物はクラゲを食べながら進化していったと言っても過言ではないかもしれません。実際、クラゲを食することが報告されている生物を列記してみると、カワハギ、マンボウ、エビ,カニ、ウミガメ、ペンギン、アホウドリ、ヒトなど、魚類、甲殻類、両生類、鳥類、哺乳類と多岐にわたる生物種が挙げられます。

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生物の誕生とクラゲの出現時期

クラゲは「ほとんど水」

 私たち人間は年齢を重ねるとともに体内の水分が減少していきます。新生児は体重の80%が水分です。体のなかの水分は体液として栄養素を身体じゅうに運び、老廃物を排出したり、体内環境を整える役割を担っており、人間は水でできていると言っても過言ではないかもしれません。しかし、成長ともに水分が減少して成人女性で55%、高齢者で50%まで減少してしまいます。一方、クラゲ中の水分は95%ですので、新生児の水分よりも多く、まさに”生まれたて”レベルの水分量です。これは寿命が尽きるまで変わりません。つまり人間もクラゲも水でできていますが、特に、クラゲは生まれてからずっと「ほとんど水」と言えそうです。

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クラゲの一生(クラゲの生活環)

 クラゲの寿命は種類によって違いますが、数か月~1年程度です。下図はクラゲの生活環(くらげの一生)です。クラゲはカブトムシや蝶、カエルのように成長の過程で形態が変化(変態)する生物です。成体のクラゲから、egg(卵)として生まれ、Planula(プラヌラ)という浮遊期を過ごし、岩場などに付着してPolyp(ポリプ)というイソギンチャクのような状態になります。ポリプが花(お皿)が重なったようなPoly with buds(蕾のポリプ)に変化して、その花のような1つ1つが分離してimmature medusa(未熟なクラゲ)となり、これが成長してadult mesusa(成体のクラゲ)になります。

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Planula、Polyp、immature medusaの過程では雌雄の区別がなく、自分のクローン(コピー)を増やしながら(無性生殖と呼ぶ)成長します。成体のクラゲになると雌雄の区別ができるようになり、受精によって卵を産み(有性生殖)、成体クラゲは衰弱し、次世代へ命をつなぎます。つまり、無性生殖によって自分のコピーを倍数的に増やし、有性生殖によって遺伝子的な多様性を獲得するという戦略で5.6億年前から子孫を残してきました。実は、私たちのよく知っている成体のクラゲはクラゲの一生のなかでも最後のひとときなのです。一方で、不老不死のクラゲと言われるベニクラゲは衰弱した成体クラゲが死滅せずに”若返り”によってポリプに戻り、また成体クラゲになるという離れ技をおこないます。さらに一般的に水族館で目にするミズクラゲもプラヌラからポリプにならずにポリプ期を飛ばして直接成体クラゲになることもあるなど、クラゲの生態には未知の部分が多く、ミステリアスな生き物の1つです。

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クラゲの謎

 若返りを繰り返すベニクラゲの話や成長の順番をスキップしてしまうミズクラゲの話など生態については謎があるクラゲですが、他にもまだ謎がございます。例えば、最新のトピックスとして「寝るクラゲ」の話。脳をもつ生物は多かれ少なかれ睡眠の時間を取ることが知られており、昼下がりのウトウトは脳を持つ生物の特権です。クラゲは脳がない生物ですが、睡眠を取ることが明らかになりました。なんのために睡眠を取るのかは不明のままですが…。さらにクラゲは目を持たないが光を感じることはできることがわかっていますし、クラゲの泳ぎ方は動物の中で最も高いエネルギー効率を実現していることが明らかになっています。水族館で積極的な展示がされ始めたのは最近のことですので、これからもどんどん新しい謎が増えていきそうで楽しみです。

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