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R & D

変形性関節症

 関節がこすれあい、ぶつかって痛みが増す変形性関節症(OA)の患者は、高年齢化社会の進行とともに急増し、わが国で700万人(米国で2100万人)にも及んでおり、日常生活動作(ADL)を下げるばかりか、生活の質(QOL)の低下も招き、人的社会的損失は計り知れないものがあります。

変性性関節症の治療の現状

 OAに対する決定打はなく、生活指導、薬物による保存療法を経て、手術がなされています。変形性関節症の大きな原因は、その粘性によって関節を保持し、骨と骨との間の摩擦を低減する機能を持つ関節液が、老化、疾病などで変性してまうことにあります。そのため治療の一つとして、関節液の成分の1つである、ヒアルロン酸(HA)を関節内に投与する治療が行われていますが、病状の増悪をゆるやかに維持する療法であり、最終的には、末期の手術療法(人工関節置換術等)が施行されています。したがって、より効果の高い治療法の開発が急務です。

クラゲムチンによる治療の可能性

 近年、関節液の主成分であるヒアルロン酸の他に、関節内に微量に存在する、lubricinやSZPなどの巨大糖タンパク質が発見されており、この物質に注目した研究がおこなわれています。これらの糖タンパク質の特徴は、糖鎖が短いことです。

 私たちは、クラゲ由来ムチンが、ルブリシンと類似した糖鎖が短い構造をもつことに着目し、ルブリシンの代替物質として変形性関節症治療の研究開発を東海大学医学部佐藤教授(整形外科学)進めています。現在、ウサギを用いた動物実験によって良好な効果が確認されているともに、遺伝子レベルでもその効果が確認されており、有望なリード物質と考えております。

論文

 Interactions between jellyfish mucin and hyaluronan in human chondrocytes, T. Takagaki, M. Sato, T. Kawake, T. Baba, K. Kihira, J. Mochida, International Journal of Biological and Pharmaceutial Research, 2015; 6(5): 351-358. 

 

 Jellyfish mucin may have potential disease modifying effects of osteoarthritis, N. Ohta, M. Sato,K. Ushida, M. Kokubo, T. Baba, K. Taniguchi, M. Urai, K. Kihira, J. Mochida, (98) BMC Biotechnology 9 (2009)

​変形性関節症